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  • 渡邉麻里子

ちはやふると糀菌


私は「NO 酒, NO LIFE」ですが、娘モコは「NO 漫画, NO LIFE」。で、そのモコが熱狂している「ちはやふる」を読んでみました。

百人一首の競技かるたに青春すべてを懸ける千早(ちはや)が主人公。その1巻で、かるたの天才少年、新(あらた)くんが言います。 「かるたはほかの国ではまだあんまやられてえんくて…まあ難しいでの(福井弁)。でもそれはつまり日本で一番になったら、世界で一番ってことやろう?」 それを読んで、私はモコに言いました。 「千早たちはうちの父さんと一緒だね。“日本で一番だったら、世界で一番”って、父さんも野性の糀菌を採取したら“パン屋では日本で唯一、だから世界で唯一だ!”って、それで頑張ってきたんだよ。」 モコは「へ~そうなんだ~。」と言っていたけど、でもあんまりピンとこないかな。糀菌は日本の「国菌」に認定されているくらい、日本の食文化に欠かせない菌なんだけど、そう言われてもまだよくわからないか…。

最近やっと、イタルはこう公言するようになった。

「タルマーリーでしかやっていない技術というモノがあるんです。例えば、野性の麹菌を採取してパンを作っているのは日本でうちだけですし、ビールを野生酵母だけで醸造しているのも日本でタルマーリーが唯一です。」 こんな風に自信を持って言えるようになるまで、何年かかったろう…。開業してから10年。いや、大学を卒業して会社員になりひどく自信を失ったときから数えると、16年くらいか。

私たちにこそできることって何だろう。社会的に意味のあるモノづくりや事業って何だろう…。 マニュアルはない。歴史に学びながら、失敗を繰り返し模索しながら、職人の技を獲得し、人間としての自信を取り戻していった。 自分でも何をやっているのか、到達点を明確に言葉にすることはできない中で、それでもただガムシャラにやってきた。

そうして、そろそろやっと、それらをわかりやすい言葉や形に表現できるときが来たのかな~と思う。

モコやヒカルはきっと大人になったらわかってくれるだろう、イタルとマリコが何をやってきたのか。だけど、ずっと傍で見てきた我が子たちだけじゃない、より多くの人にわかりやすく伝えるツールがあったらいいよね。 もちろん書籍「腐る経済」というひとつの形はできているんだけど、もうあれから移転しちゃったり、タルマーリーはまたどんどん動いていくし、また違う表現をしてみたい。

10年という単位を1セットと考えると、人生あと何セットゲームできるの?2セットくらい?あれま、あっという間だ。 さあウジウジしている時間ないわ。タルマーリー2セット目のゲームはもう始まっているんだから!


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